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校長室から

第69回和光中学校卒業式式辞

 本日ここに、143名の卒業生を送り出します。

卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。そして今日の日を特別な思いで迎えられた保護者の皆さん、ご家族の皆さん、心よりお祝い申し上げます。

 

 卒業式は単なる通過儀礼ではありません。人生の大きな節目です。節目の今日、どのようなことに思いを馳せ、何について考えるかによって、明日からの新たな人生が大きく変わっていくように思います。そしてそれは卒業生の君たちだけのことではないのです。ご参列のご家族の皆さんや君たちと共に3年間過ごしてきた私たち教職員にとっても、今日の日は人生の節目なのです。

 今日ここに参列している卒業生143名は、和光中学校という大きな舞台で展開されたドラマの出演者・キャストです。さしずめ先生方は照明や音響、演出といったスタッフで、今日の卒業式は、カーテンコールといったところでしょうか?

そんなことを思い浮かべながら、先ほど一人ひとりに卒業証書を、心を込めて手渡しました。

さて、私は和光中学校の校長になって、まだ二年しかたっていません。卒業する皆さんと一緒に行った館山水泳合宿や秋田学習旅行は、私にとって初めての経験だったのです。とにかく驚きの連続でした。5泊6日の宿舎生活、班の中のトラブルも自分たちで解決しようと努力する中学生、秋田のお父さんやお母さんの役に立とうと、一生懸命農作業に励む君たちの姿。命令や他人の指図で行動するのではなく、仲間と集団のことを意識して自分の取り組むべきことに集中する君たち。なんと素敵な学校だろうと思ったものです。

世間ではイジメや校内暴力といったすさんだ中学校の様子が、よくニュースで取り上げられます。子どもから大人への階段を登り始めた時期の中学生は心身ともに不安定で、葛藤の渦の中でもがき苦しむものです。きっと君たち和光の中学生も、この「葛藤の渦」の中にいるという点では、他の中学生と共通していると思います。

では何が違うのでしょうか?この和光には「共に生きる」という文化がきちんと根付いているということだと思います。

「共に生きる」とは、自分と異なる人を排除しないで、一緒の世界をつくるという生き方のことです。

「共に生きる」とは、「みんな違ってみんな良い」という多様性を認めることです。他人の個性を受容するということが、同時に共に喜び会える関係になるということです。

ちょうどアメリカのIT産業が、世界中から集まった移民の力によって発展していったことと似ています。

演劇も同じです。もしもキャスト全員が二枚目ばかりだったら、味のある深みのある演劇など作れません。出演者とスタッフ全員が、それぞれの個性を尊重しながら、互いの異なる意見や感性を出し合ってこそ、世界にひとつだけの劇が生まれるのです。

いま、世界中に排他主義と不寛容の嵐が吹き荒れています。

日本と関係が深いあの超大国の大統領は、メキシコ国境に強大な壁を建設して、移民の流入を阻止しようとしています。

ヨーロッパでも難民や移民を排斥しようとする勢力が大きな力を持ち始めています。

日本はどうでしょうか?福島原発事故で故郷が放射能に汚染され、避難してきた中学生がイジメられる事件が相次いでいます。

私が最も深刻だと思うのは、あの相模原市の障害者施設で起きた刺殺事件です。容疑者の青年は「障害者は生きていても意味がない」と犯行の動機を語っています。

この青年が語っていることは、ナチス・ドイツがユダヤ人の大量虐殺に先立って行ったこと。すなわち戦争に役に立たないからと、20万人もの障害者をガス室に送った思想と重なります。

卒業式というお祝いの場で、こんな悲惨な話をすることにためらいもありましたが、私が皆さんに伝えたいことは、和光中学の「共に生きる」の精神は、今大変な逆風の中にあるということです。

でも、どうか恐れないでください。人工知能・AIを生み出し、宇宙旅行も現実の話になる時代です。科学の進歩がこんなにも目覚ましい時代に君たちは生きているのです。

人類は必ず人々が幸福になる鍵を見つけるはずです。いや見つけなくてはならないのです。

今後君たちは、高校や大学で学び続けます。身近な人と社会が幸せになっていく、そういう学びを続けていってほしい。それが「共に生きる」ということにほかなりません。

卒業生のさらなるご活躍をお祈りして、祝辞とします。

 

2017年3月14日

和光中学校 校長 松山尚寿

 

掲載日時: 2017年3月21日 13:56

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